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道 〜 タオ・老子 現代に甦る2500年前からのメッセージ 2008年12月31日(水) 夜 9時30分〜11時25分
番組のみどころ
● 道=TAO(タオ)
● 老 子
● 伊那谷
● こころのメッセージ
出演者
● 朗読:緒形 拳
● オリジナルテキスト&出演:加島 祥造
 
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番組のみどころ ● 伊那谷
長野県・南部、標高3000メートルを越す
中央アルプスと南アルプスの二つの山脈の間を
ゆったりと流れる天竜川。

そこに伊那谷と呼ばれる日本でも有数の大きな谷がある。

老子は、自然はあらゆるものを生み出す「万物の母親だ」と
いくつもの言葉で残している。
英米文学者で詩人の加島祥造は、
60歳を超えて、この谷と初めて出会った。
都会に長く暮らしてきた加島は、
老子の言葉とTaoの思想に触れ、
この谷でその奥深さを実感したという。

老子の思想とは、この谷のように、
あらゆるものを受け入れながら、我々が生きる意味を
永遠に問い続けようとする思想ではないのか。

この谷は、加島にとって、
老子の言葉を通して感じ取ろうとする
タオの原風景であった。

遊園地の、大きな観覧車を想像してくれたまえ。
沢山のスポークが、輪の中心のこしきから出ているが
この中心のこしきは空っぽだ。

・・・・・(中略)・・・・・

粘土をこねくって、ひとつの器(うつわ)をつくるんだが、
器は、かならず、中がくられて空(うつろ)になっている。
この空(うつろ)の部分があってはじめて、器は役に立つ。
中がつまっていたら、何の役にも立ちやしない。

同じように、どの家にも部屋があって、
その部屋は、うつろな空間だ。
もし部屋が空(から)でなくて、ぎっしりつまっていたら
まるっきり使いものにならん。
うつろで空(あ)いていること、
それが家の有用性なのだ。

これで分かるように
私たちは物が役立つとおもうけれど

じつは物の内側の、
何もない虚(きょ)のスペースこそ、
本当に役に立っているのだ。

加島祥造「タオ---老子」より 第11章 「空っぽ」こそ役に立つ


固くて強いものが
世の中を支配しているかに見えるがね
本当は、
いちばん柔らかいものが、
いちばん固いものを打ち砕き、
こなごなにするんだよ。
空気や水のするように、
タオの働きは、隙のない固いものに
滲みこんでゆき、
いつしかそれを砕いてしまう。

何んにもしないように見えるが
じつに大きな役をしているのだ。
このように、目に見えない静かな働きは
何もしないようでいて深く役立っている。
これは、この世ではなかなか
人に気づかれないんだが、
比べようもなく、尊いものなのだよ。

加島祥造「タオ---老子」より 第43章 人はなかなか気づかない

天と地が生まれて、物に名がついたわけだが、
名とは、物の表(うわ)っ面にただ張りつくものだ。

美しいと汚いは、別々にあるんじゃあない。
美しいものは、汚いものがあるから、美しいと呼ばれるんだ。
善悪だってそうさ。
善は、悪があるから、善と呼ばれるんだ。
悪が在るおかげで、善が在るってわけさ。
同じように、ものが「在る」のも、
「無い」があるからこそありうるんでね。
お互いに
片一方だけじゃあ、ありえないんだ。

・・・・(中略)・・・・

だから、道(タオ)の働きにつながる人は
知ったかぶって手軽くきめつけたりしない。
ものの中にある自然のリズムに任せて
手出しをしない。

すべてのものは生まれでて
千変万化して動いてゆくんだからね。

・・・・(後略)・・・・

加島祥造「タオ---老子」より 
第2章 「汚い」があるから「美しい」が在るのさ