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写真家たちの日本紀行 大晦日リクエスト6時間スペシャル 2010年12月31日(金)あさ8:00~午後2:00

あなたの質問に答えます 写真家突撃インタビュー

立木 義浩 編

123

カメラで撮影するのは、
子どもの運動会や家族旅行など、イベント事ばかり。
立木さんの様に「日常の何気ない風景」を撮ってみたいと思って街へ出ても、いざとなると何を撮っていいのか分からなくなってしまいます。
どうすれば魅力的な被写体を見つける事が出来ますか?

それは難しい質問だよね。
世の中っていうのは森羅万象。
映画とか小説を超えて、すごく生々しく色んな事が起こってるわけよね。街では。
だから、何も見つけられなかったっていうのは、
想像力の翼が羽ばたいて無いんだよね。
パタパタパタってして無いんだよ。
想像力をたたんで歩いてたんだね。
それを広げると見えてくる所がいっぱいあるのよね。
写真的に絵になるとかさ、良く言うじゃないですか。昔から。

そういう話じゃなくて、
「自分が何に興味があるか」っていうか・・・。
なんか面白いってものを見つけていくっていう散歩がね、
割といいんですよ。
カメラを持ったら、なんか撮ろうとしてカメラを持つわけだから、
世の中を見る目も違って来ないとおかしいよね。
持って何を写そうかっていうのは、
肉眼というか、五感で察知して、あー面白いって歩くわけだから。
その事をやってもらいたいんだけど。
その面白いものが無かったってのは、砂漠を散歩した訳?
近所を歩いたわけでしょ。
なんかあるはずなんだよ。建物だったり人だったり、
人がいなければ、建物の面白さってのもあるじゃない。
建物の面白さで、そこに人が住んでる証として玄関口にお花を飾ってあるとかさ。
色んな生活の綾というものが日常にはあるわけでしょ。
それが夕方だったりすると、
斜めの光がスーッと差し込んだりしてると、
その光がキレイなわけじゃないですか。
これは、俺が言ってもしょうが無いんだな。
その人がそう思ってくんないと。
1回ぐらいうまくいかなかったってね、あきらめるのは良くない。
それで不平不満を言うのはね、百年早い。

何かを目撃したら、そっから膨らむじゃないですか。
まず、歩いてるっていうのは五感を駆使して歩いてるわけだよね。
でも、目から入って来る情報ってのは強いわけじゃない。
でも、目と共に音とかさ、においとか、
そういうものが街にはあるわけでしょ。
目から入って来たものが一番強いから・・・。
そういったって耳の方からさ、
昭和の時代なら「と~うふ」とかさ、
「やきいも~」っていう声が聞こえたり、
「たけざお~」って、そういうのが聞こえてくるっていうので、
色んな情景が浮かぶわけじゃない。
目撃しなくても、音から喚起される事もあるし、
においから喚起される事もあるしさ。
色んな事があって、脳が撮ろうよっていうわけだよ。
それで、怠け者じゃない人差し指に伝達すれば
「シャッターを押す」って事になる。
うまく出来てるのよ。

写真が良く写んなかったからって、
そこで人生終わりでも何でも無いからね。
むしろそっからが始まりなわけじゃない。
面白いものが見つからなかったっていうのは、
疑問が湧いて来たわけでしょ。
本人が良いと思うものが撮れなかった。
それはどうしてだろうと思う事が素晴らしいじゃない。
そしたらどうしようっていうさ、次から次と連鎖的に考えない?
次はこうしようとかさ。
行った時間帯がまずかったら、街を歩く時間帯を変えるとどうなのか。
それから旗日の日に行けばどうなのか。
お祭りの日に行けばどうなのか。
普通の一般の自分がサラリーマンとして7時に家を出てるんだったら、
7時に出てる時間帯だったら街はどうなのかとかっていう風にいってみたら、
これで100枚ぐらい撮れるでしょ。

だから、俺を彼の家に住まわせてくれたら、何枚でも撮るよ。
面白い事が山ほどあるはずだよ。
まずさ、「うまくいかなかった」っていう顔のアップからいきたいね。
それぐらい写真って面白いとも言える訳でしょ。
何を面白いと思ってるかってのが本当はすごく千差万別で面白いんだけど。
面白い写真っていったって個人的なもんだからね、基本的には。
基本的には自分で決めちゃうものじゃないですか。
でも、しばらくやってる内に何とかさんが褒めてくれたとかさ、
そういうのに頼るようになっちゃうんだよね。
でも、それは確たるもんがないよね。
ブランド物の商品を女の子が買うのと同じじゃない。
ブランド物に頼って生きているってのはつまんないでしょ。
自分の意見が無いと。
その為にはたくさんの失敗が無いとさ。
というのを乗り越えて自分のアイデンティティが確立されてくるわけだから。
急にうまくいくなんってのは、とんでもねえ事だよ。
俺の過去を見たら悲惨そのものなんだから。
写真に関しても。
人生に関しても。
いい事なんか一つも無かったんだから。
それでも平気で笑って生きてるって事が、庶民代表なわけなんだよ。
「泣くの嫌さに笑って候」っていうね、
それをテーマに生きてかなきゃ生き延びれないでしょ。

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立木 義浩

1937年徳島県徳島市出身。東京写真短期大学卒業。女優写真の第一人者。NHKの朝の連続テレビ小説『なっちゃんの写真館』のモデルとなった立木写真館3代目・立木香都子の次男として、徳島市に生まれる。1958年に東京写真短期大学(現・東京工芸大学)を卒業。写真館の営業の後継者としての仕事を措いて、「アドセンター」設立と同時に、フォトグラファーとして参加。1969年にフリーフォトグラファーとなり、広告・雑誌・出版・映像など幅広い分野で活躍。